不貞慰謝料が夫婦関係によって減額・無効になるケースとは?

 

夫婦間の関係と不貞行為

 

不貞行為による慰謝料額の相場は、約数十万~300万円と言われています。

なぜ、こんなに金額に幅があるのかというと、夫婦が離婚するのかしないのか、不貞行為の悪質性はどうだったのか、などそのケースにおける様々な状況を考慮しなくてはならないからです。

 

特に、不貞行為があったときの夫婦関係はどうだったのかという点は、とても重要です。

というのも、夫婦関係によってはたとえ不貞行為があった事実を証明できたとしても、慰謝料請求が無効になる場合や、慰謝料額が相場よりも減額される可能性があるのです。

 

この記事では、不貞行為と夫婦関係がどう関与するのかについて説明します。

具体的には、

 

1:そもそも不貞行為とは

2:婚姻関係の破綻とは

3:家庭内別居と婚姻関係の破綻

4:円満な婚姻関係がない場合

 

の順番に説明します。

 

そもそも不貞行為の定義とは

「浮気」や「不倫」といった言葉は一般的な概念で、明確な定義がありません。

そのため、人によって「二人で食事をすれば浮気」「キスをすれば不倫」など、基準が全く異なります。

 

しかし、法律上での不倫と言って差し支えない「不貞行為」に関しては、明確な定義があります。

そもそも、夫婦には、配偶者以外の人物と性交渉をしないという「貞操義務」があります。

この貞操義務に違反する行為を、「不貞行為」といいます。

つまり、結婚している夫婦が、配偶者以外の人物と性交渉(あるいは性交類似行為も含みます)をすることが不貞行為といえるのです。

 

よって、「配偶者以外の人とデートをする」「配偶者以外の人とキスをする」などの行為は、不貞行為とはなりません。

 

婚姻関係が破綻していれば、慰謝料請求が無効になる可能性がある

冒頭で、不貞行為の事実があっても、慰謝料請求が無効になるケースがあると説明しました。

というのも、最初から婚姻関係が破綻した夫婦間での不貞行為は、不法行為にはあたらないとされるからです。

 

大前提として、不貞行為を行ったときに慰謝料請求が可能なのは、夫や妻に貞操義務があり、結婚生活の平和を守るよう法律上決められているからです。

しかし、すでに婚姻関係が破綻している場合は、法律上守られるべき夫婦の利益がすでになくなっている状態です。

 

例えば、既に離婚をすることを前提に別居している夫婦がいるとします。そして、この状態で夫が恋人をつくり、その恋人と性交渉したとします。この場合、婚姻関係が既に破綻しているため、妻が慰謝料請求をするのは難しいと考えられます。

 

守るべき夫婦関係がすでになくなっているのに、不貞をはたらいたからと慰謝料を求めることはできないのです。

 

婚姻関係が破綻している状態とは?

では、婚姻関係の破綻とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。

 

民法770条では、法的に離婚を認める理由として、5つの法定離婚事由を定めています。

1:配偶者に不貞な行為があったとき

2:配偶者から悪意で遺棄されたとき

3:配偶者の生死が三年以上明らかでないとき

4:配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

5:その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 

これらの5つの原因があれば、離婚の訴えを提起することが可能です。

裁判所が、「婚姻を継続し難い重要な事由がある」→「婚姻関係が破綻している」と判断するからです。

 

ただし、例えば不貞行為を行った有責配偶者側が「不貞行為があったから、既に婚姻関係が破綻している!だから、慰謝料請求は無効だ!」と主張することはできませんので注意してください。

 

1~4の法定離婚事由は明確で、どういったケースが当てはまるかイメージしやすいです。

しかし、5番目の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」というのは不明確で分かりづらいかと思います。

 

実際の裁判例では、1~4の法定離婚事由がない場合は、

 

・性格の不一致

・暴力やモラハラ

・生活費を入れない、働かない

・長期の別居

・性交渉の拒否

・宗教活動にのめり込んでいる

・犯罪による長期懲役

 

などに着目し、各夫婦の状況を総合的に加味しながら、最終的に「婚姻関係が破綻している」かどうかを判断しています。

 

家庭内別居と婚姻関係の破綻

さきほど説明致しました、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」の中には、「長期の別居」という項目がありました。

それでは家庭内別居の場合はどう判断されるのでしょうか。

 

まず前提として、家庭内別居とは同じ家に住んでいるにも関わらず、配偶者と顔を合わせたり会話したりする機会がない状態を指します。

 

基本的に、家庭内別居は通常の別居と比べて、婚姻関係が破綻していると認められにくい傾向にあります。

同じ家で生活をしている以上、ある程度の夫婦関係が築けていると考えられるからです。

 

ただし、家庭内別居なら、必ず婚姻関係の破綻が認められないという訳ではありません。

慰謝料請求された側としては、同居していることを踏まえてもなお既に婚姻関係が破綻していたと判断されれば、慰謝料の請求が無効となる可能性があります。

 

例えば、

 

・夫婦間で一切会話がない

・食事や寝室などの生活基盤が別々

・相手がすでに恋人をつくっている

・パワハラやモラハラがある

・最初は家庭内別居だったが、後に実際に別居した

 

などの場合では、婚姻関係が破綻していると判断されるケースもあります。

 

家庭内別居においては、「夫婦の協力関係があるか」という視点が重要視されます。

たとえ、夫婦で顔を合わせることがなかったり、会話がなかったりしても、

「妻が夫の分も家事をしている」

「生活費は2人分とも夫が支出している」

といった場合は、いまだ協力関係があるとみなされ、婚姻関係は破綻していないと判断されることもあります。

 

円満な婚姻関係のない場合

婚姻関係の破綻状態には当てはまらないが、決して円満な婚姻関係ではない場合…というのはどうなるのでしょうか。

この場合、婚姻関係が破綻していない以上、法律上守られるべき夫婦の利益があると判断されます。よって、不貞による慰謝料請求が認められます。

 

ただし、円満な婚姻関係がある夫婦と比べて、守られるべき夫婦の利益が小さいものとして、不貞慰謝料の額が減額になる可能性があります。

 

「円満な婚姻関係でない」状態の具体例としては、

 

・性格の不一致

・配偶者の親族とのトラブル

・不労や多額の借金、ギャンブルや浪費癖

・暴力やモラハラ

・性交渉の拒否

・長期の別居

・過度な宗教活動

・犯罪による長期懲役

 

などが考えられます。これらは、法定離婚事由5つめの「その他の婚姻を継続し難い重大な事由」の例と合致します。

それぞれの夫婦の状況を総合的に考慮して、ケースごとに「婚姻関係が破綻している」状態なのか「破綻まではいかないが円満な婚姻関係ではない」状態なのかが判断されます。

 

いずれにせよ、上記のような事由がありましたら、不貞行為に対する慰謝料が減額となる可能性があります。

一度弁護士にご相談いただければ、どのように相手方との話を進めていけばよいのか、どうすれば婚姻生活が円満でなかった証拠を集められるのか、など様々なアドバイスが可能です。

 

離婚のお悩みは弊事務所までご相談ください

不貞行為に関する慰謝料請求は、それまでの夫婦の関係がどうだったかという点に大きく左右されます。

場合によっては、慰謝料が減額されたり、請求そのものが無効となるケースもあります。

 

慰謝料を請求された側からすれば、すでに婚姻関係が破綻していたことをきっちりと説明すれば、慰謝料額が減額される可能性もあります。

 

夫婦関係は、夫婦それぞれによって異なります。ご自身の場合はどうなのか、どうすればよいのか疑問をお持ちの方はぜひ弊事務所へご相談ください。

離婚の専門家が丁寧に対応させていただきます。

 

一生のうちに離婚を何度も経験する人は少ないですが、弁護士は何組もの夫婦の離婚問題を解決してきています。

これまで培ったノウハウを活用して、ご依頼者様のサポートが可能です。

 

離婚に関するご相談は初回無料でお受け付け致します。どうぞお気軽にご連絡ください。

 

 

 

 

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