婚姻関係破たんの立証により勝訴(離婚成立)できた事例(解決事例89)

婚姻関係破たんの立証により勝訴(離婚成立)できた事例

離婚等請求事件 男性(Xさん)  

事情

依頼者(Xさん)は妻と同居して15年ほどでしたが、 妻と折り合いが悪く喧嘩になり、妻を一度たたいてしまいました。 妻も警察を呼び、被害届を出しました。 また、折り合いが悪くなってからは、妻はXさんに食事も作らず、 Xさんの洗濯もしなくなるなど夫婦共同生活の実質が損なわれていました。 Xさんは、別居してから妻に対し、 弁護士を通して協議離婚を申立てるべく当事務所にご依頼いただきました。 弁護士が代理人となり、妻に離婚調停を申立てしましたが、 妻側は生活不安を理由に離婚を拒絶しました。 やむを得ず、離婚訴訟を提起しましたが、 妻は、Xさんが一度喧嘩の際たたいたこと及び生活費を立替払いにしていたことを取り上げ、 Xさんが有責配偶者(離婚原因について有責性ある者からの離婚請求)であり、 離婚は認められないという主張をしました。 さらに妻はXさんが浮気していたと主張して慰謝料の請求をしてきました。  

結果

訴訟において、一度たたいたことだけでは有責性はないこと 及び立替払いとはいえ生活費は渡していたことを主張して有責性を争いました。 また、婚姻関係は実質的に破綻していると主張し、 破綻主義に従い、離婚が認められるべきであるとの主張を展開しました。 さらに不貞行為については妻がXさんの浮気調査のために、 Xさんの鞄を探っている事実及び勝手にカーナビ履歴を調査している事実を突き止め、 逆に婚姻関係破綻の証拠として利用しました。 訴訟活動の結果、1審では、Xさんが有責配偶者であると認定されながらも、 婚姻関係破綻により離婚請求が認められ、勝訴しました。 しかし、妻は控訴してさらに離婚自体を争ってきました。 控訴審では、妻に対し慰謝料を100万円支払うことに合意して離婚が成立しました。  

解決ポイント

婚姻関係はある意味密室であり、証拠が残らないのが通常です。 ですからかえって、破綻状態にあると認識した当事者としては、 婚姻関係の実質が損なわれている (例:妻が食事を作らない。モラハラ発言、洗濯物をしてくれない。 勝手に所持品をあさる、部屋がゴミ屋敷)等、 その状態をいちいち、写真、録音、記録などの、 訴訟上の立証を見据えた証拠収集をしなくてはなりません。 本件では、妻が出した証拠に当方に有利になる証拠があり、 なんとか勝訴にこぎ着けることが出来ました。 難事件も丹念に取り組むことで、光明を見いだすことが出来ると得心した事件でした。

 

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