DVを受けた方からの離婚請求(裁判離婚)が認められた事例(解決事例3)

DVを受けた方からの離婚請求(裁判離婚)が認められた事例

依頼者:女性(相談時45歳、Cさん)

事情

Cさんは、結婚して18年目であり、相手方(夫)との間に子供が一人いました。Cさんは、突然夫から不倫(不貞行為)をしているとのあらぬ疑いをかけられ、暴力をふるわれたあげく、生活費を一切渡してもらえなくなりました。そのためCさん親子は生活に困窮してしまい、別居した後に当事務所にご相談に来られました。

Cさんは離婚、親権、養育費、慰謝料、財産分与、年金分割などを求めていたところ、夫の方も離婚と慰謝料を求めてきました。

 

夫の方は、Cさんに対する疑念が誤りであることを一切認めず、話し合い(協議)では到底決着が付くことができませんでした。

そこで、裁判所を通じて解決を図ることになりました。

結果

 

離婚については、いきなり裁判をすることは出来ず、一度調停手続を経る必要があります(調停前置主義といいます。)。そこで今回もまず調停を行い、婚姻費用の請求と離婚・親権・養育費・財産分与を求めていきました。

離婚調停

調停の場においても、夫側はCさんが不貞行為をしていたとして、慰謝料を強く求めてきました。Cさんとしましても、やってもいないことを認めることが到底できないことから、調停では折り合いが付きませんでした(調停不成立)

そこで離婚裁判を行うことになりました。

離婚裁判

離婚裁判においては、離婚の点、親権はCさんが取得する点について争いはなく、どちらが慰謝料を支払うべきかという点が問題となりました。また、財産分与に関しても、財産の評価について双方の意見が一致せず、これも争点となりました。

まず慰謝料については、Cさんは不貞行為などしておらず、慰謝料を負うことはないことを主張しました。また、調停の際には請求していなかった夫からの暴力や婚姻費用未払等に関して、Cさんは慰謝料請求を追加しました。

夫が主張していたCさんの不貞行為の有無については、証人尋問などを通じて不貞行為などありえないことを反論したところ、この反論が裁判所に認められ、夫側の慰謝料請求は棄却されました。

一方、Cさんが求めた慰謝料請求については、まだ二人が同居していたころに生活費を渡していなかったことなどが認められ、無事慰謝料請求が認められました

財産分与に関しては、当方(Cさん)は夫の将来の退職金の分与を求めていきました。退職金については、現実に支払われたものではなく、支払われるまで相当な期間があるため、計算上の満額に80%を掛け合わせた金額からライプニッツ係数による中間利息控除をされた額が分与財産として認められました。そして、半分ずつということで、この分与財産の2分の1を勝ち取ることができました。

弁護士のコメント

今回は相手方が強行に争ってきたため、調停期間および訴訟から判決まで相当な期間がかかることが予想されました。また、Cさんとしては身に覚えのない浮気の疑いをかけられていたため、Cさんの精神的疲労も十分に配慮する必要があると感じていました。

また今回は、双方が慰謝料請求を求めて応報が繰り返されました。綿密な証人尋問や主張立証が功を奏し、夫側の請求は退けられ、Cさんの請求が認められることになりました。離婚に至る経緯を考えると、妥当な判決内容であったと考えます。

弁護士のサポート内容

代理交渉・訴訟の代理人。

相手方が強硬な態度を貫いていたことや、生活苦で来られたことなどを考慮して、できるだけCさんにストレスが軽減されるように考えて代理行為を行いました。

 

 

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