養育費を支払い続けてもらえるか心配な方へ
お子様を抱えた状態で離婚する場合、不安の種となるのが「養育費」の問題ではないでしょうか。
養育費とは、未成熟な子供が社会的/経済的に自立するまでにかかる養育費用です。離婚して片方の親が親権を持っても、両親ともに扶養義務があることは変わりません。
よって、親権を持たない親も、養育費を払わなくてはなりません。
しかし、実際は養育費がきちんと支払われず、子供を育てている方の親の経済状況が悪化するケースがよくみられます。
では、子供のために必要な養育費を支払い続けてもらうためにはどうすればいいのでしょうか。
詳しく説明します。
養育費は何故支払い続けてもらえない?
養育費が最後まで支払われない最も大きな理由は、「養育費支払いの取り決めがきちんとされていない」ことです。
厚生労働省が発表した、「平成28年度全国ひとり親家庭調査」によると、
養育費の取り決めをしていない世帯は、母子世帯で54.2%、父子世帯では74.4%にも及びます。
半数以上の世帯が、養育費に関する取り決めをきちんとしていないことがわかります。
また、養育費の取り決めをしていない理由については、
母子世帯では、
・相手に支払う能力が無いと思った(20.8%)
・相手に支払う意思が無いと思った(17.8%)
といった理由が多く、
父子世帯では、
・相手に支払う能力が無いと思った(22.3%)
・自分の収入等で経済的に問題がない(17.5%)
といった理由が多いです。
また、母子世帯、父子世帯ともに多かったのが、「相手とかかわりたくない」という理由です。
もちろん、様々な衝突があった末に離婚するケースがほとんどですから、相手とのやり取りがストレスだというのは十分わかります。
しかし、離婚時にきちんと取り決めをしておかないと、後々養育費を支払ってもらえない可能性があります。
直接相手とのやり取りをするのが精神的に苦痛なのであれば、弁護士を代理人として代わりに交渉してもらう方法がおすすめです。
養育費を支払い続けてもらうためにできること
養育費を最後まできちんと支払い続けて欲しい、あるいは支払いが途中で止まってしまったので最速したいという場合は、以下の方法を検討することができます。
・離婚時に離婚公正証書を作成する
・養育費調停/審判をする
・強制執行を行う
それぞれについて詳しく説明します。
離婚時に離婚公正証書の作成
確実に養育費を支払ってもらいたいのであれば、離婚する時点で離婚公正証書を作成しておくとよいでしょう。
協議離婚をするときには、養育費や財産分与などを話し合いをします。そのときに、話し合った内容を元に「協議離婚合意書」を作成します。
この協議離婚合意書を公証役場で公正証書にしてもらえば、離婚公正証書の完成です。
公正証書とは、契約の成立など一定の事項について公証人が書証として作成し、内容を証明する書類です。
離婚公正証書を作成するときに、「強制執行認諾条項」を入れておくと、相手が支払わなくなったときに、スムーズに相手の給料や財産を差し押さえできます。
あらかじめこの条項を盛り込んでおくことで、相手にプレッシャーを与えるという「養育費未払いの予防効果」もありますし、実際に未払いになったときの取り立ての手続きもすぐに実行できます。
公正証書は、近くの公証役場に事前に申し込みをして、当日に必要書類を持参すれば作成してもらえます。
もちろん個人での対応されることも可能ですが、よりあなたに有利な条件で話を進めたいのであれば、弁護士への依頼をおすすめします。
早めの段階で弁護士に相談いただければ、離婚協議書の作成や公正証書の作成についてもアドバイスいたします。
必要書類の準備など、面倒な手続きも弁護士が代理で行いますので、あなたの負担をかなり軽減できます。
養育費調停/審判
離婚時に具体的な取り決めをしていなかった場合では、相手が養育費を途中で支払わなくなることがあります。あるいは、最初から一銭も支払わない人もいます。
そのような状況であれば、家庭裁判所での養育費調停が解決策として考えられます。
養育費調停を利用すれば、調停委員を介して養育費の額や支払いの方法を決められます。
調停委員という第三者が間に入るだけで、話し合いがスムーズに進むケースも多いです。調停を申し立てるだけで、相手が支払いに応じてくることもありますので、養育費の支払いがストップしたら、まずは調停の申立を検討されるとよいでしょう。
ただし、調停はあくまでも話し合いであり、当事者同士の合意が必要です。
話し合いでの解決が難しければ、審判に進めることも可能です。審判では、裁判官が適正な養育費の金額と支払い方法を決定します。
裁判所が作成した調停調書や、審判書といった書面には強制執行力があります。この書面に書かれた内容に相手が従わない場合、相手の給料や財産を差し押さえられるのです。
強制執行
公正証書の作成や調停、審判で養育費の支払いが決まったとしても、支払いをしない人もいます。
そのような場合には、強制執行によって、相手の給料や財産を差し押さえ、そこから未払いの養育費を回収することも可能です。
給与所得者の給与を差し押さえると、差し押さえの通知が裁判所から勤務先に送られるので、会社や周りの目を理由に相手が自分から支払いを申し出てくることがあります。
自分から支払いを申し出てこなかったとしても、給与所得者であれば、給与を差し押さえると、相手が同じ勤務先で働いているかぎり養育費を受取りつづけることができます。
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養育費は子供育てるためになくてはならないお金です。
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