『モラハラ』って何?弁護士法人i(大阪弁護士会所属)
「『モラハラ』って何?」
弁護士法人i (大阪弁護士会所属)
モラハラって何?と思われている方もおられると思います。
モラハラとは、モラルハラスメントの略で精神的暴力のことを言います。
某タレントさんが最近メディアで離婚の原因がモラハラだったのではないか!?と書き立てられたことで脚光をあびることになったこの単語、実はうちも・・・とならないようにお読み頂く方にお知恵をつけて頂きたいと思います。
①パートナーが作ってくれた料理を「まずい!!」と言うこと
②「誰の稼ぎで生活できていると思ってるんだ!!」と言うこと
③「誰々さんの奥さんは家事をしっかりやって、仕事もしっかり出来てすごいよな」
「誰々さんの旦那さんはいい会社に勤めてお給料もたくさんもらえて羨ましい」 と言うこと
④パートナーに言われたことを自分なりに賢明にやるが、その中でパートナーがミスをすると
「だからお前はだめなんだ!!」と言うこと
日常生活でついつい口から出てしまうこのような言葉ですが、それがどういう状態であればモラハラに当たるのではないかと考えられるのか説明させて頂きます。
パートナーを精神的暴力(侮辱的言動や相手の人格を否定・無視する言動等)によって、自分を頼らないと生きていけないという風に思いこませて、被害者であるパートナーを自分の思うままに支配することをモラハラと言います。
被害者は、加害者から日常的に中傷や罵倒を受けることによって「自分が悪い」「パートナーが正しい」と思いこみ、我慢し続けます。そして、被害者は無意識のうちに、加害者である配偶者に依存してしまっているのです。この状態が支配状況です。
上記の発言は全てモラルハラスメントに該当しうると思います。最近は女性によるモラハラも増えてきているようです。
離婚事由に該当するか? ですが、相手方が離婚に同意しない場合、離婚原因がなければ離婚が成立しません。
では、モラルハラスメントが「婚姻を継続しがたい重大な理由に該当するのか?」なのですが、これはケースバイケースです。被害が深刻な場合も多くあると考えられますし、モラハラに該当する場合ももちろんあるでしょう。 もっとも、20~30年間別々に暮らしてきた他人が共同生活をするわけですがら、多くのご家庭で価値観の相違による夫婦喧嘩はありますよね? モラルハラスメントの問題性は、こういった価値観の相違や性格の不一致との区別が外見上つきにくく、事実認定が非常に困難なところにあります。 また、肉体的暴力と違って、心の傷は外から見えませんから、証拠が残りにくいので立証も困難です。そのため、離婚原因としてモラルハラスメントが認められるには、それなりのハードルがあることは否定出来ません。 並行して別居によっても客観的破綻を立証していきましょう。 モラハラによる精神的苦痛に対する慰謝料ですが、これも認定にハードルがあります。 モラルハラスメントと認定された場合、慰謝料は認められるでしょうが、数10万円から300万円の間で、金額は事案によります。
~悩んでいる方々へ~
モラルハラスメントの被害者の方は精神的支配によって「自分が悪い」という罪悪感を抱えていらっしゃる方がほとんどです。 まずは、「自分が悪いのではない」 「自分は被害者である」 ということを自覚することこそが加害者への依存、加害者からの支配から抜け出す第一歩だと思います。 ストレスによって心身に不調をきたし、数年に渡るモラハラによって重度のうつ病等にかかっておられる方も少なくないと思われます。 もしかしたら?と思われた方は一度相談にお越しくださいませ。