【コラム】「不貞の証拠」弁護士法人i(大阪弁護士会所属)

離婚コラム~弁護士の思い~

  自分から求めるにせよ求められるにせよ、離婚の原因となる事情で最も古典的であり、かつ現在においても多数を占めるのが不貞行為です。他の事情との組み合わせといった例が多いのはもちろんですが、離婚原因の王道といえるでしょう。 従来に比べて女性側の不貞が増えてきている印象はありますが、やはりまだ男性側の不貞のほうが多いと見受けられます。不貞行為を理由として妻が夫と離婚したいし慰謝料も請求したいという相談は後を絶ちません。 たしかに、不貞行為は裁判上離婚原因ですので(民法770条1項1号)、配偶者が不貞行為を行ったのであれば、配偶者が協議や調停であくまで離婚を拒んだとしても、最終的には離婚を実現できることになります(ただし、一切の事情を考慮して裁判官が婚姻の継続が相当と考えるような例外的な場合は除かれます。)。また、不貞行為は不法行為でもありますので(民法709条)、配偶者及び浮気相手に原則として損害賠償として慰謝料を請求することもできます。  これらをご存じの方は多いかとは思いますが、こちらが配偶者の不貞を疑ったとき、配偶者が素直に不貞を認めてくれたら良いのですが、不貞を否定したり、いったん認めたとしても撤回されたりしたら厄介です。離婚にせよ慰謝料にせよ、請求する側が配偶者の不貞行為を立証する必要が出てきてしまうのです。そこで、不貞の証拠としてどのような物を集められるかが非常に重要です。以下、よくある不貞の証拠や、私がこれまで経験した事件で経験した変わった証拠を3点だけご紹介します。   1 浮気相手とのメール、LINE
現在、不貞の証拠として最もポピュラーなものは、携帯電話の画面上に表れる、配偶者と浮気相手とのメールやLINEです。直感的に配偶者の様子がおかしいときや帰りが遅いときなどに、まず携帯電話をチェックされるという方は多いのではないでしょうか。もちろん証拠保全のため、見るだけでなく、画面の写真を撮ったりしておく必要があります。ただし、不貞の証拠と評価されるためには、やり取りの内容から性交渉が窺われるものである必要があります。「好きだよ」とか「大切に思う」などだけでは足りないということです。
  2 探偵による調査
従来からよくある不貞の証拠としては、探偵による調査が挙げられます。ラブホテルに二人で入っていく場面や、浮気相手の部屋に二人で入っていった上で翌朝になってからその部屋から出てくる場面を収めた写真が典型です。そのような写真が撮れた場合は有力な証拠となりますが、欠点としては費用が高く付くことです。最近は安価な調査費用の探偵事務所も増えていますが、ピンポイントで浮気日を指定して調査してもらわない限り、数十万以上、場合によっては100万円を超えてしまう場合もあります。
    3 パンツ
携帯電話もロックをかけられてチェックできない、探偵に頼むにはお金がなかったり、巧妙にホテルや相手の部屋には泊まらないといった理由で写真が撮れなかったりした場合でも諦めてはいけません。浮気が疑われる日に配偶者が帰宅した後、洗濯機に入れられた配偶者のパンツを洗わずに保管して、それが証拠となるような場合もあります。そのパンツをDNA鑑定して(DNA鑑定は最近では10万円以内でできることが多いです。)、配偶者以外のDNA型が検出された場合には、十分に不貞の証拠になります。なぜなら、パンツに配偶者以外の体液が付着していることが高度に疑われ、そのようになるシチュエーションは性交渉しか通常はないからです。
  本稿は以上で終わりますが、正確に言えば、離婚や慰謝料の原因となるような不貞行為は夫婦関係が破綻される以前の性交渉である必要がありますし、浮気相手に請求するには、浮気相手が、性交渉の相手を既婚者であると認識しているか容易に認識できる場合であることが必要です。これらについては、また改めてお話ししたいと思います。

 

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