10年以上別居していた夫から受け取っていた生活費の返還を求められた事例(解決事例32)
10年以上別居していた夫から受け取っていた生活費の返還を求められた事例
依頼者:女性(Xさん)
事情
Xさんは、夫の浮気等が原因で、10年以上前から夫と別居していましたが、夫から生活費をもらっていました。
ところが、夫の事業が行き詰まり、夫が
①離婚
②財産分与
として、これまで支払いすぎた生活費の返還を求めてきました。これに対し、Xさんは、離婚自体はやむを得ないと考えていました。
しかし、別居後、Xさんが日々節約してつくった貯蓄を、浪費し続けた夫に分与させられることには納得がいかず、相談にいらっしゃいました。
結果
弁護士が代理人となり、Xさんと相談の上、夫の勝手な離婚請求を認めないというスタンスで方針を決め、相手方と交渉をすることにしました。
まず、調停にて婚姻費用を請求しました。夫が、多額の役員報酬を受け取っていることから、その額を基準に婚姻費用を請求しましたが、夫側は現在会社の資金繰りが悪く、実際には報酬を受け取っていないという反論をしました。
これに対して、裁判所はこちらの主張を全面的に受け入れ、役員報酬額を基準として婚姻費用を決定しました。
その後、婚姻費用の金額を確定させた上で、離婚交渉に入りました。離婚交渉では、こちらが離婚に応じる代わりに、婚姻費用を含めた解決金として150万円を受け取るという示談(Xさんから支払う財産分与なし)が成立しました。
弁護士のコメント
離婚事件では、離婚に応じるかどうかの方針も、交渉結果に大きな影響を与えるので、最初に適切な方針を立てたことが、良い結果につながりました。
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