既婚者同士の不貞行為の相手方への慰謝料請求を示談で解決した事例(解決事例86)

既婚者同士の不貞行為の相手方への慰謝料請求を示談で解決した事例

損害賠償請請求事件 男性(Xさん)  

事情

Xさんは,妻が出会い系サイトで知り合った男性(Yさん)と 不貞行為をしていることを知り,相手方に損害賠償を請求しようと考えました。 しかし,不貞行為は発覚したものの,Yさんの住所や氏名も分からなかったため,どうすれば良いか分からず,御相談にいらっしゃいました。  

結果

妻に求償しないこと,妻に接触しないこと, また,Yさんも既婚者であったため,Yさんの配偶者に本件について伝えないこと等を条件に,100万円で示談が成立しました。  

解決ポイント

Yさんの氏名・住所が不明であったことから, まずこれを明らかにするべく作戦を練りました。 妻の協力が得られたので,妻に一度会う約束をさせた上で, 探偵に尾行を依頼し,自宅等を明らかにしました。 また,Yさんが既婚者であったところ,相手方の配偶者に本件が知れれば,結局相手方の配偶者からもXさんの妻に対して 不貞行為による損害賠償請求が 成り立つこととなってしまいます。 そこで,自宅に対する郵便ではなくメールで連絡を行うようにし,さらに,本件について可能な限りYさんの配偶者に伝わらないようにする条項を 加えるなど工夫をしました。  

語句説明

「求償権」・・・一般に,不貞行為は2人で行う共同不法行為と呼ばれるものに該当します。そのため,不貞行為を行った2人共にそれぞれ慰謝料の全額を負担する義務があります。本件でいえば,XさんはYさんより慰謝料の支払いを受けることとなりましたが,本来であれば,その負担はXさんの妻もXさんに対して負うものであるため,Yさんはそのいくらかの(責任割合に応じる)負担をXさんの妻に請求する権利があります。その権利を求償権といいます。 本件では,その権利を行使しないことを示談の条件と加えたため,Xさんの妻はYさんにお金を請求される心配がなくなりました。

 

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