夫の浪費癖が原因で鬱と診断された方の離婚協議で、財産分与に合意を得られた事例(解決事例156)
夫の浪費癖が原因で鬱と診断された方の離婚協議で、財産分与に合意を得られた事例
離婚等請求事件
女性(Xさん)
事情
相談者(Xさん)は、夫(Yさん)と婚姻期間中、Yさんがギャンブル等で、夫婦で貯めたお金を浪費していたことから、その都度、Yさんに対し、浪費しないように約束をさせました。
しかし、Yさんの浪費癖は治らず、そのことでXさんは悩むようになり、最終的に鬱病と診断されました。
Xさんとしては、Yさんとの婚姻生活に限界を感じ、一刻も早くYさんの元を離れたかったため、Xさんは2人の子供を自宅に置いて、実家に帰る形でYさんと別居に至りました。
Xさんは、今後、Yさんと離婚についての話し合いをどのように進めていっていいかわからず、当所に相談にこられました。
結果
弁護士がXさんの代理人となり、Yさんと離婚についての協議をしました。
Xさんとしては、Yさんが浪費した金銭を返還するよう請求しましたが、Yさんはそれには応じませんでした。
もっとも、Yさんとしては、財産分与としてXさんに対し、350万円を支払うことに合意しました。
また、Xさんは、自分が鬱病であることから、子どもを養育する自信がなく、親権についてはYさんに委ねました。
もっとも、Xさんは月に1回子どもと面会することとなり、離婚成立に至りました。
解決ポイント
財産分与とは婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。
このことは民法という法律に、離婚の際には、相手方に対し財産の分与を請求することができる(民法768条1項)と定めています。
そのため、夫婦の一方が婚姻生活中に浪費した金銭については、原則として財産分与の対象とはなりません。
従いまして、本件において、Yさんが浪費した分については財産分与の対象とはならず、その他の財産を分与するに至りました。
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