相手方が離婚に反対し、財産分与を求めてきたが、互いに財産分与をしないとの条件で離婚が成立した事例(解決事例110)

相手方が離婚に反対し、財産分与を求めてきたが、互いに財産分与をしないとの条件で離婚が成立した事例

離婚等請求事件 男性(Xさん)  

事情

相談者(Xさん)は、2002年にYさんと結婚し、2人の子供に恵まれました。もっとも、XさんとYさんは、2015年に、性格の不一致を理由に、Xさんが自宅を出る形で別居するに至りました。その後すぐに、Xさんの海外赴任が決定し、海外赴任されました。Xさんは、別居期間中、Yさんに対し、毎月20万円の生活費を支給していました。2018年、Xさんは、海外赴任が終了し、日本に帰国しました。そこで、Xさんは、Yさんとの離婚を決意し、当事務所にご相談に来られました。  

結果

Yさんは、離婚することに反対であったため、Xさんは、離婚調停を申し立てました。当初、Yさんは、離婚に反対されました。もっとも、XさんとYさんはすでに別居してから3年以上経過していたこと等から、Xさんとしては、離婚裁判も辞さない構えで臨みました。そのため、Yさんとしては、条件次第では離婚に応じるとの姿勢に転じました。そこで、離婚条件として、財産分与が問題となりました。Xさんには、不動産や退職金等、Yさんに分与しなければならない財産が多々ありましたが、Yさんは、別居期間中に、Xさんから支給されていた生活費とは別に、Xさんの預金を生活費に使用していました。そこで、Xさんは、別居期間中にYさんが使用したXさんの預金を返金せよ、と主張したところ、最終的に、互いに財産分与はしないとの条件で離婚成立に至りました。  

解決ポイント

離婚原因が、いわゆる性格の不一致の場合で、一般的に離婚裁判で離婚が認められるためには、裁判上の離婚原因である「婚姻関係を継続し難い重大な事由」に該当する必要があります。その中で、特に重視されるのが別居期間です。本件では、別居期間がすでに3年以上経過していた等の事由から、「婚姻関係を継続し難い重大な事由」に該当する可能性が高く、Xさんは、離婚裁判も辞さない構えでした。また、財産分与の基準時は、原則的に別居時であるところ、Yさんは、別居後にXさんの預金を使用していました。そこで、Xさんは、別居後にYさんが使用した預金の返還を求めたところ、最終的に、互いに財産分与はしないことになりました。Xさんは、財産分与として分与しなければならない財産が多々ありましたが、弁護士がYさんの財産調査を行って、交渉をした結果、互いに財産分与をしないという合意に至りました。このように、離婚それ自体や財産分与は、非常に複雑な法的知識が必要となりますので、離婚でお困りの方は、是非一度、当事務所にご相談ください。  

 

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